地デジか…

 地デジなど百害あって一利無し! アナログ放送停止は庶民の事情を考えない悪政だ! もしアナログ停止後に日本に戻ったらオレは TV なしで生活するぞ! 昨今の高飛車な TV 業界に NO を突き付けてやるんだ! などと以前からわりと本気で思っていたけれども、自分の親は TV なしで生活するわけにいかないので、実家には9月の滞在中に地デジ機を買うことにした。家電店で実物を見たら、アナログ機とは比べ物にならない画質の鮮明さに今更ながら驚いた。「一利無し」は言い過ぎだった。学会旅行中に泊まったホテルの部屋にも既に地デジ機が導入されている所が多く、図らずも地デジ生活にしばし浸ることになった。この美しい映像に慣れてしまったら、もうアナログには戻れないなあ。しかし粗い映像に対する耐性を国民から奪う事のマイナス面も無視するわけにはいかない(負け惜しみ?)。

 フランスの自室では未だにアナログ機のまま。アナログ機に出る「もうすぐ見られなくなります」通知は、日本では画面の上下端の黒いスペースにずっと現れているんだね。フランスでは 30 分に1回くらいの頻度だけれども、画面の中央に堂々と黒い帯が現れてメッセージが流れるのだ。日本よりもかなり威圧的だ。こちらのアナログ放送終了まではあと3日。 どうしようどうしよう。と書きつつ、たとえ見られなくなってもしばらくは自分は何もしない気がする。