出張の贅沢

 以前も書いたかもしれないけど、フランスと日本の大学の出張のルールに大きな違いがある。前にいた大学では教官は海外出張に自分の休暇をくっつけることは許されなかったが、此処ではそんな禁止事項は無く、みんな当然のように5日間の学会に1週間のバカンスをつなげたりして長期旅行を楽しんでいる。此処に来て最初の出張のとき、学会が終わってすぐ帰ってこようと考えていたら「ジョー、頼むからバカンスを取ってくれ」とリーダーから懇願されたほどだ。

 本来、有給休暇はどのタイミングで取ろうと自由なはずで、日本の禁止ルールがおかしいんだよな、と今なら思えるし、日本でも最初はそう思っていた。異国を旅するせっかくの機会なのだから、ついでにいろいろな所を見て回りたいと考えるのは人として当然。おそらく禁止する側としては「バカンスをOKにするとそれ目的で海外出張する人が出てくる」という言い分があるのだろうが、バカンス目的でもなんでも日本人は積極的に海外に出かけたほうが良いと思う(もちろん出張業務をきちんとこなせばの話)。大学は一方では「有休をできるだけ使いなさい」と職員に通達しておきながら、他方では出張とバカンスをつなげるのを禁ずるというのは、ある意味矛盾しているとも言える。有休を消費させたければ海外出張先で有休を消費する権利を認めよ。