ヘンな人だね

 つい先日、職場のフランス人教授と雑談していた時、いつものように彼は私にフランス語習得の必要性を説いていたのだが、その説教の中で「ヨーロッパでは日本語は役に立たないよ」などと言うのでちょっとカチンと来た。私はそこまで馬鹿ではない。いつ私が此処で日本語で用を足そうとしたというのか? どう考えてもわざわざ言う必要のないことだろう。それとは別件だけど、2月に一時帰国から戻って日本土産の和菓子を職場の人々に振る舞った。みんな喜んで食べていた。するとくだんの教授はふざけて「ウッ」と叫んで胸を押さえ、毒を盛られて苦しむ真似をした。これにもカチンと来た。せっかく持ってきた土産に対してなんというデリカシーのなさ。その時は驚いて言葉も出なかったけれど、今ならこう対応してやろうと思う。「ああごめんなさい、これは貴方には毒だったようですね、じゃあ遠ざけておきましょう」
 今日になってその2件が自分の中で結びついて、どうやらこの教授はフランス以外の国の文化や言語をリスペクトしない人らしい、という結論に今更ながら達した。こういう人とは付き合い方の距離を考えたほうがいいとも思った。もちろん自分に仏語習得が必要なのは間違いない。だから上達した暁には、仏語で彼をやり込めたいという願望もある。ただ他人を全否定することは自分のストレスともなるので、ここでは単に「ヘンな人だね」程度の表現にとどめておくことにする。