引っ越し (4)

 荷物運び3往復。日曜でバスの本数が少ないので、バスの時間優先で、それに合わせて各アパートで作業したり食事したり。今日は軽い物が中心だったのでさほど体力を消耗しなかった。夕食後にもう1回、荷物は運ばず自転車で1往復。バスの時間を気にせずに作業したかったので。
 新アパートでは終日、日曜大工に携わった。購入した椅子とテーブル、そして旧アパートから持参したスチール書棚を組み立てる。ソファーベッドはハンマーが必要なようなので明日に延期。部屋の電灯のいくつかに電球も入れる。これで日没(= 21 時半!)以後も滞在できるようになったので、灯をともしつつ作ったばかりのテーブルで今後の計画など書き記してみた。だんだん此処での生活のイメージができてきた。

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 合間に、日本で録画した『プロフェッショナル 仕事の流儀』の細野秀雄先生の回を見る。先生の日々のアクティブさを目の当たりにすると、自分はいったい何をやっているんだろう、嬉々として IKEA の椅子とテーブルを作るくらいしか能がないのか、とため息をつくばかり。
 ところで番組の中の映像で、研究室のミーティングでのホワイトボード画面や研究員のノートの中身には、ことごとくモザイクかボカシがかかっていた。学界で未発表の内容なのだろうから当然の処置であるが、その箇所がやたらに多い。どうもカメラマンやディレクターは競争の激しいこの研究業界の緊張感を理解しておらず、ホワイトボード画面をむしろ積極的に映像に盛り込もうと努めたフシがある。で、完成映像をチェックした細野先生サイドから「こんなのを放送されては困る」とクレームがついて、放送前にあわててボカシを入れたのではないか。以前から感じていることだが、報道する者とされる者の間で機密情報に対する意識が乖離しているケースは多々見られる。