バシュング/みくちゃん

 フランスの歌手 Alain Bashung が亡くなった。自分はよく知らないけど大歌手らしい。1年前から癌であることを公にして、病と闘いつつ音楽活動を続けていることは見聞きしていた。抗がん剤の副作用で毛が薄くなった姿ながらも、つい2週間前の音楽祭 Victoires de la musique のステージで歌い、客席から熱烈な拍手と声援を受けていたのを見て「まだ大丈夫そうだな」などと根拠無く思っていた矢先だった。
 生命を最後まで燃やし尽くすこと、その姿を人に見せることについていろいろ考える。

 バシュングとは関係ないけど、最近聞いた噂でとてもショッキングだったのは、劇画家の御厨さと美がホームレスになっているという話。あくまで 2ch から出たウワサで、何の裏付けもないのだが、そのインパクト故にここに記すことをお許しいただきたい。じっさい夢に出てくるくらいちょっとしたトラウマになっている。
 子供の頃、彼が仕切っていた『小学六年生』の読者ページの大ファンだった。劇画作品はあまり読んでいないけれど、『裂けた旅券』、漫画版『火の鳥 2772 』、『名探偵ランジェロ』シリーズなどで活躍した。2、3年前に検索して個人サイトを見たら、東海大学の講師になっていて、学生をアニメ制作現場に見学に連れて行くなど独特の指導をしていた。そのサイトも今は無く、どうしたのだろうと思っていた。大ヒットといえる作品は無いものの、間違いなく才能のある人なのに、いったいなぜこんなことに? ただ、件の個人サイトやインタビュー記事など見ると、自分のやり手ぶりを饒舌に語る尊大な性格も多少感じられたので、彼を疎む人も多かったのかな、と勝手に想像。

 彼に限らず、昔読んだ漫画家でいまはネットでも消息がわからない人は枚挙に暇が無い。『わが輩はノラ公』を描いた菊池規子さんとか、どうしてるんでしょうか?
 離れた場所にいる人との人間関係や有名人の消息は、揮発性メモリの中の情報と同じだな。頻繁にデータの再書き込み(リフレッシュ)をしなければ消滅してしまう。