装置トラブルの顛末

 共同研究先に来て予約してあった装置を使おうとしたら、冷却水の流量低下のため現在使えず、対処中だと管理者から言われた。それを聞いた時は、前夜が寒かったから水道管の中で水が凍って破裂したのではないかと思ったが、水温は常温にコントロールされているから凍結ではないという。チューブの内壁に使ってある糊が剥がれて詰まるらしい。昨年末にも同じ症状があった。そんなに頻繁に詰まるチューブは交換したほうがよいのではないか。

 午後から装置が使用可能になった。やれやれと実験していた最中、とつぜん建物全体で停電した。最初は容量オーバーでブレーカーが落ちたのかと思ったが、どうもそうではなさそうだ。20 分ほどで復旧した。後で聞いたら、なんと近くで工事していた人が作業上の必要のため電気を止めたのだという。日本ではそういうことをする場合は1週間くらい前からアナウンスするよ! いくら自由の国フランスとはいえ、予告なしに電気を止めるなんて信じられない。実験を阻害されて工事現場に怒鳴り込む人が1人もいないのが不思議だ。「この国で研究するのは大変だな」とつぶやいたら、「インドでは停電なんて日常茶飯事だよ」とインド人同僚2名に笑われてしまった。