10/6 : サイリスタレギュレータとトランスを組み合わせる方法を日本の業者に電話で教えてもらった。早速大電流仕様のヒーターの温度制御に試してみたら、あっけないほどうまくいった。今までの十数年間の苦労は何だったのだという感じ。
 10/7 : 午前、製膜。新しく入った中国人ポスドクに装置を説明しつつ。午後、共同研究先に移動。いくつかの試料を同僚と光顕観察する。いろいろ重要なことがわかる。もっと早い時期に観察するべきだった。「こうなることはわかっていたよ」的なことを同僚が言うので、少し不愉快になった。じゃあ早く教えてくれればいいじゃん。再び職場へ戻り、試料交換。帰宅。疲れたせいで夕食をスキップして眠りに落ちる。
 10/8 : 午前、製膜。午後、グループミーティング。明日のプロジェクト発表会のスライド準備を手伝う。

 ◇ ◇ ◇
ノーベル物理学賞・化学賞
 2日連続して日本人受賞者が出たという報道には、やはり心が躍った。しかし一方で、益川さんの「自分の受賞はたいして嬉しくない」発言にも思わず喝采してしまった。ノーベル賞の権威は揺るぎないものになってしまっているけれども、密室審査、選出理由の不透明性を考えると、世間はあまり騒ぎすぎたり振り回されたりしないほうがいいんじゃないの、と。
 「南部さんは日本人か米国人か」という問題がやはり出てきたな。彼が米国籍を取った真意はわからない。が、彼や下村氏を始め多くの優秀な人(私は含みません)が日本より欧米を生涯の活動拠点に選んだことは、少し深刻に受け止めるべきだと思う。将来「日本人のノーベル賞受賞者は通算○○人目」と記事に書かれなくなる頃には、もっと日本の研究環境も良くなっているだろうか。ところで下村さんはル・モンドでは日本人として扱われていたけれども、ノーベル賞公式サイトには「USA」と書いてあるな…。