曇一時雨 長袖シャツに薄いセーター

 悪天候のためバーベキューは室内での食事会に変更。予告通り所長が自分のシンセサイザーを搬入し部屋の隅に設置する。そして会の要所要所で、自らポップスや映画音楽など弾いて聴かせる(といっても伴奏はプログラムされていて、本人が弾くのは主旋律のみだが)。ああ、結婚披露宴会場みたいな感じね。自分も、イヤだったけどお声がかかって、数十人が注目する中、2〜3曲弾き語りをさせられた。もっと目立たない所で少人数の輪の中で弾いているのが楽しいのに。

 自分の出来はさんざんだった。後から「あの曲をやればよかった」「もう少し練習しておけばよかった」と後悔しきり。しかし、会がどんな流れになるかわからないうちから、自分が皆の前で演奏することを前提にあらかじめ練習したり選曲したりするような行為は、なんだかいやらしいとも思う(歌うことが決定事項になっている場合はもちろん準備するけど)。
 要するに、その場で選曲してパッと弾けるのがかっこいいのだ。ギター弾きの実力には、リズム感や正確な運指などの演奏技術のほかに、場に適した曲をレパートリーから短時間で選ぶ選曲センスとか、長時間弾いても疲れない指先の堅さとかいった付随的な能力も含まれるんだな、と認識した。今日の自分にはその総合的実力が不足していたということだ。

 まあそんな出たがりのシンセ奏者や腕の衰えたギター奏者に対しても、場がシーンとなることはなく、それなりに盛り上がってくれるのはラテン系のお国柄。音楽に対して寛容でオープンな人が多いので、演奏する側も楽しい。食事会終了後も、有志6〜7人でコーヒールームに移動して歌の続きが繰り広げられた。「二次会はカラオケ」のノリね。合計すると7時間くらいパーティーが続いたことになる。