晴のち曇

 日本の装置メーカーにスカイプ通話をかけたり、セミナーを聴いたり、オフィスでの同僚のディスカッションに少し首を突っ込んだり。いつもより人と言葉を多くやりとりした気がする。

 そんな中、中国人の同僚からメールが届いた。中国の地震で、日本の救助隊が我々の同胞を救うために熱心に活動してくれていることにとても心を動かされた、日本に厚く感謝する、という内容。ちょっとびっくりした。私は何もしていないのに。日本の救助隊は諸々の理由で結局生存者を1人も救うことができず、不完全燃焼に終わったとも聞くし。でも日本人の行動が中国で高く評価されていることは素直に嬉しく、彼のメールにも胸を熱くさせられた。ここを読んで下さっている何人かの日本人に「中国人がこう言っていたよ」と伝えることで、微力ながら彼の意思に応えたい。

 余談だけど、日本の救助隊の活動に対する中国のネット掲示板上での書き込みを紹介する記事を見かけた。多数が好意的だが、中には「がれきの中から機密書類が見つかったらどうするんだ」といった否定的な書き込みもあった、とか。
 こういう記事を載せるのはいかがなものか。つねづね、報道に携わる者がネット掲示板の書き込みを抜粋して一般向け記事に仕立てるなど、手抜きでしかないと思っている。物事に対する民衆の賛否両論の意見をすくい取るのは大切だが、ネットの書き込みの中には「意見」としてのレベルに達しない荒らし書き込みがどうしても存在する。上のような愚にもつかない書き込みはその典型だろう。否定的意見がどの程度の割合を占めているかは関心のあるところだが、単に書き込みの数だけでそれを決めるのは正確さを欠くし、それ以前に、問題の記事は否定意見の割合に言及すらしていない。要するにこの記者は「中国では日本バッシングが今も続いている」という結論まずありきで、それに合う書き込みを何も考えずに取り上げたんでしょ。

 テレビで『火垂るの墓』(アニメ)をやっていた。見始めたら最後まで目が離せないわけで。