赤塚不二夫のことを書いた本のことを書いたのだ

 9/18 (火) - 20 (木):自動測定装置。
 9/21 (金):製膜装置のユーザーの製膜に立ち会う。夜、夕食をとろうと近所のメシ屋に入ったら、そのユーザーと共同研究者が飲んでいる所に出くわし、流れで一緒に飲むことに。その後タクシーで片町へ出てさらに別の仲間と合流して飲む。珍しいパターンだった。
 9/22 (土):電車で職場に来て車を回収。松任図書館。帰宅。『うらなり』小林信彦(2006 文藝春秋)読了。★★★★☆
 9/23 (日):洗濯。職場へ。別の自動測定装置を使い始める予定が、少々ずれて準備のみ。

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■『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』武居俊樹(2005 文藝春秋)★★★★★

 実は昔から赤塚不二夫はとりたてて好きな漫画家ではなかったが、トキワ荘漫画家の歴史に関する資料にはとりあえず接しておかねばという使命感で読んだら、めっぽう面白くて一気に読了。
 サンデーの新米記者だった著者が赤塚氏の担当になり、数年もすると先生と対等に酒場でバカ騒ぎする間柄となる、赤塚氏の不思議な人間力。最初はサンデーで連載していたが後にマガジンでも並行して別の連載を持ったり、そのマガジン連載作品をなんとサンデーが奪って赤塚2本立てにしまったりという、サンデー×マガジン両誌の熾烈な闘い。にもかかわらず、ライバル誌であるマガジンの担当記者も武居氏らと一緒になってバカ騒ぎを繰り広げるという常識破りな状況。高度成長期のハチャメチャな時代の空気がビシビシ伝わって来る(マガジンの連載をひっぺがす話には、正直少し引いたけど)。

 赤塚礼讃というわけではない。アイデアマンがいなければ彼のギャグはてんで面白くないなど、書きにくいことも暴露している。個人的には、当時のフジオプロの内部を描いた『新宿まんが村』(北見けんいち)で、長谷邦夫氏の存在が全く描かれていないことが気になっていたのだが、本書を読むと、15 年前に長谷氏が赤塚氏と袂を分ったこと、じつは以前から赤塚は長谷を良く思っていなかったことなどが明らかになり、しんみりしつつも腑に落ちた。そんなことも含めて、漫画家・その家族・アシスタント・編集者といった様々な立場の人々が、この変化の大きい時代をどんな思いで生きて来たかが伝わり、軽妙な語り口の本なのにずしりと読み応えがあった。