ゼロ伝説

 事務的雑用。手仕事少々。早めに退勤して髪を切りに行く。
 帰って時間があったので、部屋の掃除をしつつビデオテープを HDD にダビング。今日は映研時代に自分たちが撮った映画。20 年ぶりに見た。のたうち回るくらい恥ずかしい! とても正視に堪えない!
 北陸地方が梅雨に入る。沖縄は梅雨が明けたとのこと。

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 昨日の続き。中にはオトナになってもコドモのように全力で活動して、しかも寝なくても平気という人もいる。まあ永久に寝ないわけにいかないけど。それでいつも思い出すのは、伝説ともいうべきスタジオゼロの漫画家たちの仕事ぶりである。売れっ子になってトキワ荘を去った若き日の藤子不二雄石森章太郎赤塚不二夫らは、数年後に再び集結してアニメ製作グループ「スタジオゼロ」を結成し、本業の漫画との2足のわらじ生活を送った。メンバーの一人は当時の様子をこう語る。

「自分らみんな連載持ってますから、日中はもう自分の原稿描いて、夜の 12 時になると、そこ(スタジオゼロ)へ集まって、朝まで徹夜でアニメ描いて、7時になるとみんなまた自分の仕事場に戻って漫画描くっていう生活をね」(藤子不二雄 A、『驚きももの木 20 世紀』1995 年 1 月 6 日放送)

 私は仕事に就いて間もない頃にこれを TV で見て、ひどく衝撃を受けた。夜の 12 時からもう1つの仕事場に赴いて別の仕事に没頭するとは、なんというエネルギーだろう。好きなことを仕事にするということは、こんな無謀な生活をも可能にしてしまうのだ。もとから宵っ張りだった私が、さらに家に仕事を持ち込んだりファミレスでデスクワークしたりと、夜 12 時以降も活動的に仕事をしようと努めたのは、この番組の影響が多分にあった。
 今も宵っ張りは直らないが、無理のきかない歳になったせいもあり、帰宅してから仕事することはほとんどなくなった。でも時々、装置のデザインや文章作成といった「何かを生み出す」作業に携わっているときは、やはり時を忘れて深夜まで職場の机に向かえるくらい気分が高揚するのであり、同時にスタジオゼロ伝説がいまだに自分の中で影響力を持っていることを認識せざるを得ない。