コラボレーション

『ステップ・アップ』アン・フレッチャー監督(2006 米)
 帰りの機内で鑑賞。日本未公開(3月公開とのこと)。学校でクラシックバレエを専攻する少女と、ストリートダンスの得意な少年が、発表会のためのダンスを共同で踊ることになって‥というハイスクール青春物語。たまたま話の舞台がボルチモアで、昨日まで自分の歩いていたインナーハーバーの風景が映画の中に登場しているのを見て「おお!」と興奮した。他の人にはどうでもいいことだが。
 それはさておき、黒人の仲間集団の中でことさら意気がっている主人公の白人少年が「お前は白人であることを引け目に感じてるんだろう」と親友に指摘される箇所が記憶に残った。wikipedia によるとボルチモアの住民は6割が黒人ということだから、一部の中流階級と大勢の貧困階級が住み分けていて、両者の間には複雑な感情が横たわっている土地なのだろう。観光地を歩いているだけでは気付かないそんな地域性を映画が補強してくれた。住民の間の「壁」を古典とストリートダンスのコラボレーションが乗り越えていくのもテーマの一つだったのだな。
 ところで「全米ダンス映画史上、歴代5位」という微妙なコピーに笑った。