電車/Puffy

 今回の飛行機は、唯一成田からサンノゼまで直行便のあるアメリカン航空(初)。エコノミークラスでも各座席に液晶モニターがついていて、見る映像を10チャンネルの中から各人が選択できる。これは嬉しい。以下は機内で見た映像の感想。

■ 『電車男村上正典監督(2005年)
 どんなふうに映画化したのか見たかったので選択。映画では代表的なネットの住人を5組(仕事人間のサラリーマン、倦怠期の主婦、働く独身女性、引きこもり青年、マンガ喫茶に入り浸るオタク3人組)設定して、主人公を含む6組の間で主なやりとりが進行する。乱暴に言うと2ちゃんねらーはこの5タイプ(およびその複合型)に分類できるということかな? 画面分割とかメッセージの表示の仕方の工夫はマンガ的で面白かった。予想どおり、ネット住人の一部が実空間で接近遭遇するエピソードも織り込まれていて、ちょっと嬉しい。
 いわゆる‘象徴空間’のシーンが圧巻。絶望して泣き伏す主人公に、対面する数百人のネット住人たちが口々に「頑張れ!」と声援を送る。ストレートな表現が単純に泣ける。いまどき現実世界でこんな青春熱血場面はこっぱずかしくて誰もやらないけれども、ネットという空間は直球のコミュニケーションの場であるという特性故に、たまにこんな感動シーンも生まれてしまうんだなあ。ネットの可能性恐るべしだ。ところでこのシーンが心に来たってことは、自分も誰かに「頑張れ!」と激励してもらいたいんだろうな。でもオレは素直でないから多分こんな状況には至らないだろう。電車男は純粋な男だ。その点はうらやましい。
 撮影期間30日という超即席映画に、不覚にもいろいろ考えさせられてしまった。

■ 『ハイハイパフィー・アミユミ』
 米国で日本の歌手を題材にTVアニメシリーズを作るというだけでも驚きだったが、これがカートゥーンネットワークで人気No.1になったとかでまたびっくりし、一度見てみたいと思っていたので選択。感想は‥‥台詞の内容がわからない(なぜかスペイン語版だった)のはともかく、70年代にアニメに親しんだ者にとっては人物の動きとか場面転換が刺激的すぎて、ついていくのが大変だった。今のコドモはこんな激しい映像を好んで見るのかー。まあおじさんは1回見ただけで満足です。