火サス

 報告会。その後深夜まで微細加工。
 昨日とは別の装置のトラブルに対処。膜の堆積中に基板温度が異常に上がる症状だった。原因解明までに結構な紆余曲折があった。サスペンスドラマに例えると、殺人事件の容疑者としてすごく怪しい男がいて、苦労して捕らえてみたらそいつは単なる手先に過ぎないことがわかり、事件当初から完全にシロだと思われていた上品な紳士がじつは主犯だったというような展開。思わず船越英一郎がナゾ解きをしてみせるシーンを連想した。

 初めて経験する壁に立ち向かっているときは、気持ちが高ぶって深夜になっても意識がはっきりしている(あまり困難な壁だとだめだけど)。クリエイターと呼ばれる人々はしばしば徹夜で仕事したりするが、あれは常に新しいことをやっているという高揚感が徹夜を可能にしているのだろう。だから徹夜仕事といっても大して驚くほどのことではない。逆に毎日同じ作業を淡々と続ける仕事のほうがどれほど大変か。