ムーブメント

 ずっと自動測定装置2台を使っていた。2台重なっているにも関わらず昼も夜もフルに測定し続けた。本日ようやく装置が自分の手を離れ、自由の身に。長かったわい。おかげで山のようにデータがたまった。

 全国に3万件も発生していたガードレールの謎の金属片は、結局車の一部だという結論になったらしい。つくづく奇妙な騒動だったと思う。もし車の一部なら、最近だけでなく過去何十年間ずっとそういう金属片がガードレールに刺さり続けてきたはずなのに、誰も気が付かなかったのだろうか? 以前にガードレールにささった金属片をたまたま散歩中に見つけた人がいてもまさか日本中にそれが蔓延(はびこ)っているとは思わず、金属片を切り取られた車の持ち主がいてもまさかそれがガードレールとの接触によるものだとは思わず、当の警察はそんな金属片の存在すら知らなかったということか。立場の違う彼らの間で情報共有がなされれば、謎でも何でもなかったのに。
 アスベストの件も、発ガン性はずっと昔から指摘されていたのに、なんで今頃になって大騒ぎしているのかよくわからない。この場合は、これまで声を上げる人がいても強い権力に握りつぶされてきたという背景があったのか。それが今、このような大きなムーブメントになったのは、権力も太刀打ちできないような強烈なきっかけがあったのだろうか。
 社会の動きは複雑だ。自然科学的な考え方では捉え難い。そこが面白いのかもしれないが。