遊び心

 デジタルオシロはメーカーに修理を依頼することに決めた。

 デジタルビデオカメラで撮影した動画をPCに取り込み、そこから1コマ取り出して静止画として扱うにはどうすればよいかを調べる。以前他の研究者から、2万円くらいのキャプチャーボードを買えばよいと聞いて、そのカタログを調べることから始めたけど、何のことはない、iMovieとQuickTimePlayerがあればできるんだね。MacOSXの入っているマシンならこの2つのソフトは最初から入っているから、あとはパソコンのFireWire端子とビデオカメラのDV端子をつなぐケーブルを入手するだけでよい。いろいろなことに使えそう(あくまで仕事の話)。ついでにiMovieで編集した動画をQuickTime形式に変換すればPowerPoint文書の中に組み込んで再生できることもわかった。素晴らしい。今度から私のプレゼンも動画デビューだ! Macユーザーでない方には無関係な話ですみません。

 「遊び心でサイエンスが開ける醍醐味を研究者が知れば、まだまだいろんなことができると思う」東大・橋本和仁氏(1/6 朝日)
 米村でんじろう氏が斬新な科学実験ネタを次々に考案し披露しているのを見るにつけ、よくあんなアイデアを思いつくなあと感嘆する一方、それを見て「すごーい」と目を丸くした子らが本当に科学に興味を持つのだろうか、マジックを見て驚くのと何か差があるのだろうかというかすかな疑問も感じていた。でもやはり橋本氏の言うように、遊び心とサイエンスは密接に関係しているのは確かだ。科学実験ショーを見た子らの中の何割かは「よし自分でもやってみよう」と思い、さらにその内の何割かは「ここをちょっと変えてみたらどうなるかな?」と独自のやり方を試し始める。小さな科学者の誕生だ。実験ショーとマジックの大きな違いは、実験ショーは真似できるけどマジックは真似できないということ。
 なにも実験ショーを見た全員が小さな科学者にならなくてもいい。ただ周りに小さな科学者が何人もいることを皆が当たり前に感じ、科学に対する偏見や嫌悪感が世の中から薄れて行くこと、それが米村氏の科学実験の目指すところなのだろう、と勝手に思った。