金八、カンゾー、BJ

 久々の休日。

 金八先生同窓会スペシャルの録画を観る。第1〜第6シリーズの粗筋がわかったのが収穫だった。ドラマ中で金八先生が教室の生徒たちに語りかける言葉の完成度、話し方のテクニックに改めて感服する。つくづく彼は弁が立つ。
 しかし「第5シリーズくらいから、生徒に金八流が通用しなくなった」と武田鉄矢はぼやいていた。たしかにシリーズが始まった25年前と比べると、子供も大人も、世の中全体がおかしな方へ変化している。この先この流れの中で、どこまで金八が突っ張れるか。脚本をもらって演じるだけの流れ作業ではない、ドラマと格闘している役者の姿を見た。

■『カンゾー先生今村昌平監督(1998年)
 図書館から借りていたビデオを観る。自分にとっての映画の重要な楽しみは、違う時代や違う土地に旅行できるということだ。本作の舞台は昭和20年の岡山。旅を楽しんだ。柄本明演じる赤城医師は朴訥な人物だが、肝臓炎を日本からなくそうとする情熱と探究心は誰にも負けない。町医者をやる傍ら肝炎の原因究明に取り組み、やがて中央の医師会からも注目されるまでになる。地方にあって研究装置に恵まれずとも、周囲の人々の助けや自らの工夫で立派な装置を作り上げてしまう話が良い。ただし完成したその装置は結局活用されることはなく、赤城先生は研究で認められるより庶民の町医者であることを選ぶ。それも尊い医師の姿ではあるが、正直、私には少し残念な結末でもあった。

 松任図書館で『ブラック・ジャック』の中の1冊を借りる(べつにTVアニメが始まるからではない)。もう何度も読んでいるが、時々読みたくなる。上の2人と違ってBJはクールでニヒルで一匹狼。だが背中で人間肯定を教えてくれる。

 全くタイプの違う3人の‘先生’に接した一日。