冬物語

 パ・リーグ三冠王に輝いた人や、塗り薬のような名前の同点1位の本塁打王の外人選手や、昨年まで2年連続で首位打者だった選手の名前にまったく聞き覚えがないことに我ながら驚く。どこのパラレルワールドの話かって感じ。自分のプロ野球に対する興味のなさは年々激しくなっているなあ。そのうちジャイアンツの選手すら1人も知らないなんてことになるかも。スター選手はどんどん米国に流れて行くし。

 図書館で借りてきた70年代のドラマ主題歌のCDを聴く。目当ては『冬物語』。この頃(1972〜73年頃)の日テレ系ドラマのテーマ曲には美しい曲が多い。『冬物語』はリアルタイムで見た記憶はないが、10年くらい前にテレビ探偵団で原田大二郎氏が思い出の曲として挙げていて、そのときドラマ映像も数十秒くらいだけど映って、70年代の風景や若者の姿や映像感覚が強く私の印象に残ったのだ。
 冬という季節設定、しんみりとしたテーマ曲は『冬のソナタ』を連想させる。しかしよく言われているように『冬のソナタ』は昔ながらの韓国らしさがほとんど排除されて、時代不詳の無国籍風ドラマになっていた。家の中のシーンなどにはかすかに韓国の伝統的風習が見え、そのへんがファンの郷愁を誘ったかもしれないけど、韓国に行ったことのある者の目から見るとドラマの映像はそれほど新鮮なものではなかった。私が最後まで冬ソナに夢中にならなかったのは一つにはその無国籍さのためかもしれない。