『赤目四十八瀧心中未遂』

 『ラストサムライ』と迷ったけど、今日はこちらを見ることに。

■『赤目四十八瀧心中未遂荒戸源次郎監督(2003年)
 観客を選ぶ映画だと思った。自分も作品にどっぷり浸れたとは言えない。ハリウッド映画のようなカタルシスや爽快感はなく、痛みやグロテスク感が観客の心に突き立てられる。
 一切の過去と人間関係を断って流れてきた男。女と出会い、追い詰められる中で一時おとぎ話の中に生き、やがて現実に引き戻される。結局何も変わりはしないという結末が辛辣。
 主人公の男性、不器用な生き方しかできない割には美形で眼光鋭く、つい「別の役者ならどうだったろう」と考えてしまった。
 寺島しのぶ演じるヒロインはぴったりハマっていた。
 『琉球の風』(1993年)以来、10年ぶりに昨年の『武蔵』で寺島しのぶを見た。あのお嬢さまがすっかり大人の女になって翳りや色気を身に付けていたのに驚いた(『北条時宗』にも出ていたらしいけど見逃した)。
 そういえば『武蔵』での彼女の役名は‘亜矢’、今回の映画では‘綾’。偶然か? いや彼女の醸し出す‘妖’のオーラがそれぞれの役を引き寄せたのかもしれない。なんてね。

 オンバトではこれから数週間でチャンピオン大会出場者が次々に決まっていく。今回はエレコミと長井が4勝目を達成。よっしゃ。