物理学会と応物学会

 物理学会の発表者はラフなスタイルの人が多い。応物学会は企業の人が多いこともあってほとんどの発表者はスーツ姿であるのに対し、物理学会では95%の発表者は普段着であり、TシャツにGパンも当たり前である。反面、講演の内容は(あくまで一般論だが)物理学会のほうがしっかりしていて、学生の発表者も自分の頭で考えて自分の言葉で議論している。普段応物で発表している我々もこの点は物理を見習うべきだなと思う。服装はどうでもいい、重要なのは議論の中身なのだ、というのが物理学会のやり方。

 物質や材料の新しい性質について「こんなのがあるよ」と私に示唆してくれるのもどちらかというと物理学会だ。振り返れば自分などの研究テーマはたいてい基礎物理研究の成果をいただいてそれを応用に向けて発展させようとするものだった。今回の物理学会でも大いに収穫があったので、‘遊びに’行ったのは大変有意義であった。今後も自分はできるだけ物理学会にも足を運ぶべきだと思った。

 偶然会った旧知の研究者と数名で夕食を食べ、その足で金沢へ戻る。こんどは自由席でも座って行けた。平日の夜の下り列車は空いている。