同志

 応物学会2日目。我々の研究室の学生2人の講演があった。いずれも活発な質問を受け、まあ成功だったと思う。

 今回のセッションの座長はその業界では著名な研究者であった。この先生、セッション開始時に「お名前の敬称は“さん”に統一させていただきます」と宣言された。これに私は我が意を得たりと思った。
 この学会ではなぜか講演の著者名を紹介する時、教授・助教授には“先生”、それ以外には“さん”と敬称をつける場合が多い。しかし、普段どの役職から上を“先生”と呼ぶかは大学によって違うし、企業や研究機関に所属する教授並みのキャリアをもつ研究者を大学教授と区別して呼ぶのも変だ。何よりも、知らないグループの場合、どの人が教授助教授でどの人が学生かをいちいち調べてなどいられない。
 だから自分も昨日の座長のとき“さん”で統一した。ちょっとした挑戦だった。なので、同じ主義の先生がおられて嬉しくなった。

 この座長先生にはもう一つ惚れ惚れした言動があったのだが、それは次回に。