今日はテレビの誕生日

 NHKのテレビ50年記念16時間生放送番組、迷った末に、結局テープ2本使って3倍モードでぜんぶ録画してしまった。
 昔の番組を見るのが好きだ。今は当たり前になっている技術やシステムがなかった時代に、当時の番組制作スタッフや出演者たちがどんな工夫をし、どんな努力をしてきたかが、古い映像から垣間見られる。
 今回の番組では(まだ全部見てないけど)、そういった昔の裏方さんの奮闘ぶりをたっぷりと紹介してくれて、今まで知りたかったいろいろなことがよくわかった。昭和34年の皇太子・美智子妃成婚パレードの中継のときに中継車が足りず、スタート地点で中継に使った車を、急いでゴール近くまで移動させてそこで再び中継に使ったという綱渡り話。ニュース映像がフィルムだった頃、少しでも早く報道するため、現場で撮影したフィルムをヘリコプターに乗せて、上空から放送局の屋上にポトンと落として渡していた話などが印象的。

 しかし最後のフィナーレの最中に、スペースシャトル爆発のニュースが字幕で流れた。17年前のチャレンジャーの事故以来の悲劇。痛ましい、あと15分で着地というときに悔しかったろう、いや17年前の事故でもわかるように打ち上げ直後と着陸直前が一番の難関なのだろう、よりによって朝ドラが宇宙へ行く話をやってるときに‥といろいろな思いがよぎる。
 50周年誕生日パーティにしてみれば水をさされた形になってしまった。でもこの16時間の番組が伝えたかったメッセージは、「50年の道程は決して生易しいものではなかった、これからも同じだ」ということだと思うし、それは宇宙開発でも何でも同じことであろう。ともすれば「未来は明るい」という印象を与えかねないパーティ番組の最後にこのニュースが入ったことで、「未来は歯を食いしばって切り開くべきものだ」というメッセージが明確になったとも思う。