みんなのうた・エピソード1

 夏じゃのう。梅雨はまだ明けていないが陽射しは強い。気温も連日30度を超えている。海にでも行って一日中浸かっていたいものだなあ(詠嘆)。

 以前も書いたけど石川県では『かがのと505』というローカル番組の中で、昔の『みんなのうた』が毎日2曲ずつ映像付きで放送されている。取り上げられる曲目はたいていは昭和50年代から平成にかけての曲だが、たまにはもっと古い曲もやってくれる。最近、ついに放送開始(昭和36年4月)のときのプログラムを5分間フルに流してくれた。ううう、石川県に住んでてよかった、と思ったひととき。
 もっとも、情報によればNHK岡山でも同様に昔のみんなのうたを放送していて、こちらではWebで“リクエスト可能曲”一覧表を提供している。石川でこれまで放送された曲も、この一覧表の範囲を出ていない。どうも東京局が地方局に提供している曲目がこれだけということのようだ。とすると私の好きだった『マヌエロ』『キャッツアイ・ラブ』『父さんのつくった歌』などはいくらリクエストしても永遠にかからないのか。ちょっとガッカリだな。

 みんなのうたといえばずっと前から、5分という番組枠の中で同じ長さの曲を2曲(最近は1曲のこともある)やる、と決まっていて、1曲目のタイトル→うた→2曲目のタイトル→うた、という構成がはっきりしている。つまり1曲1曲がユニットとなっている。ところが今回見た昭和36年のそれは、『みんなのうた』というタイトル文字にいきなり1曲目の『おお牧場はみどり』のイントロが重なり(番組のテーマ音楽はなし)、1曲目の映像の終り部分に2曲目の『あわて床屋』のイントロがかぶる。しかも1曲目は2分程度と短いのに対し2曲目は2分40秒と、長さに片寄りを持たせている。これは5分を一つのユニットと捉える作り方だな。番組スタート直後でいろいろ試行錯誤していたのだろう。ついでにタイトルも歌詞も全部手書き文字のテロップなのが泣かせる。

 初期の映像はいかんせん冗長でアニメも枚数が少なくて、娯楽として見ているといささかうんざりするきらいはある。だから東京局では5分フルにやることはまずしないだろう。でも資料として見ると「ああ、当時の子供たちはこれを見て育ったんだ」という感慨を味わえて、自分もいま昭和30年代の木枠の窓の家で、4本足の白黒受像機のチャンネルを“回して”これを見ているかのような気分になれる。
 タイムマシンがほしいものだなあ(詠嘆)。