メッセージ・ソング

 NHK石川ローカルの「かがのと505」という番組の中に「懐かしのみんなのうた」というコーナーがあることを最近知った。日替わりで2曲ずつ昔の曲を流してくれる、マニアにとっては夢のような企画だ! で、このあいだはピチカート・ファイヴの『メッセージ・ソング』が流れていた。平成8年放送。

♪もしもある日 冬のある日 この歌を聞いたら
 想い出して これは ぼくからのメッセージ

 いい歌だなぁ。アニメーション(西内としお)も暖かくて心に染みる。

 ところで、ここ1年ずっと出入りしていたある掲示板が、管理人さんの意向で書き込み不可となってしまった。突然の知らせにただ驚くばかりだった。
 子供からお年寄りまで集まってワイワイやれる、非常に良い雰囲気の掲示板だったのだが、最近、一部の人による荒らし的な書き込みが目立っていた。

 大槻ケンヂは、ファンサイトでファンに心ない非難の言葉を書き込まれたのがきっかけで、筋肉少女隊を脱退するに至ったという。ほんの少人数によるネガティブな言葉が、サイト運営者やアーティストの活動意欲を根こそぎ奪ってしまうこともあるんだな。
 ネガティブな力は浸透力が強い。ウィルスと同じで、瞬く間に大勢の心をネガティブにしてしまう。

 掲示板荒らしと一口に言っても、悪意に満ちた愉快犯もいれば、自分を荒らしだと思っていない単なる礼儀知らずもいるらしい。前者は能動的に他人に不快感を与えることを目的としているのに対し、後者は自分の言葉になぜ他人が不快感を示すのか、本当にわからないでいる、もしくは他人が不快感を示しても一向に意に介さない。彼らは現実世界でも人と話す技術を欠いているから、当然、論理的な話はできないし、相手が理詰めで問題点を指摘しても、聞く耳を持たない。
 どうして彼らはそのようになったのか。どうすれば彼らは他人と共存できるようになるのか。心の問題は年々難しくなっていくようだ。

 大手情報機器メーカーに勤めていた理科系の友人が、2年前に退職して、神父になるための学校に入学した。きっと、性能のいいパソコンを作ることよりも、迷える人の心を救うことの方が、いまの世界には重要だと考えたのだと思う。

 心の干涸らびた人々に、メッセージが届くことを願う。