FF

 連休中は当地はいい天気で結構。しかしついにアメリカがタリバーンへの攻撃を開始したと聞いてあまり浮かれていられなくなった。結局「勝った方が善」となる不毛な戦いだ。早く終って欲しい。

 さて、映画『ファイナルファンタジー』(FF)がさんざんな興行成績で、製作のスクウェアは映画事業から撤退するとのこと。米国での興行収入は、目標の100億円に対して1/3程度だったそうだ。でっかい花火を打ち上げて華々しく散っていったな。公開当初にTVのニュース番組で映像を一部見た時には、実写と見紛うばかりの人物に、正直、度肝を抜かれ、CGもここまで来たかと素直に敬服したものだけど、それでもヒットしなかったんだね。オレ? 映画館では見てない。ビデオが出たら見るよ。そうか、こういう奴ばかりだからコケたのか(笑)。

 古い話だが倉本聰脚本、とんねるず主演という異色の組み合わせの『火の用心』というドラマがあった。倉本ファンととんねるずファンの両方を取り込もうとしたのだろうが、結果は視聴率一桁台に終った。おそらく倉本ファンにとってはとんねるずの存在は猛烈な違和感だったろうし、とんねるずファンには倉本脚本が堅苦しく馴染めなかったのではないか。
 FFの場合も「普通のラブストーリー映画を見る大人」と「ゲームやCGが好きな子供(含・成人)」の和集合が見に来ると踏んでいたのに、実際には両者の積集合だけが客として来たというところか。

 手塚眞氏は「絵はリアルだが、人物の演技は無声映画時代なみ」と評した。映画がすべてCGで作られ、俳優がみんな失業する時代はまだ先になりそうだ。
 こんどやってくる『シュレック』も画像の陰影のきめ細かさ、人物や構図の動きの激しさという点では『FF』と同じく、コンピュータゲームを映画にしたような作品だ。ただ登場人物はデフォルメが施されていてコミカルだ。子供にターゲットを定めたからこそ全米でヒットしたのだと思う。現状ではまだCGは生身の人間の代用品にはなれずに、現実に存在しないキャラクタを造形する手段にとどまっている。