日記

 久々に日記らしいことを書きましょう。
 今日は一応休日でしかも雲一つない快晴! 月曜までに書かねばならない書類があるのだが、こんな日をデスクワークに費やしたら悔いが残る。夕方までは遊ぶことに決定する。
 というわけで以前からちょっと興味のあった美川町の呉竹文庫へ。北前船主の三代目・熊田源太郎氏が、家業を継いで実業家や村長をやりながら、溢れる知識欲を抑え切れずに膨大な量の書物を買い集め、やがて大正11年私立図書館にして一般公開したもの。
 1万4千冊という蔵書の数に圧倒される。ほぼすべて大正・昭和初期の書物。昔の本は装丁が丁寧で、背見出しの金文字など今見てもきれいなものだ。本が今より遥かに高価だった時代。財力のなせる業だが、熊田源太郎という人は茶も和歌もたしなんだし、この建物の内装にも彼のさまざまなこだわりが見られ、単なる成金趣味でないセンスを感じる。
 館長さんに頼んで古い本を閲覧させていただく。おお、「大正十六年版朝日年鑑」が! 年鑑類はふつう前年に発行されるので、発行時はまだ大正天皇が存命だったわけ。内容は「現在活動している作家の一覧表」(78名)、「コンサートホールの一覧表」(9箇所)…のどかな時代だなあ。「活動写真の無線放送」という記事が面白い。実験は国内外でポツリポツリ行なわれているが、可能かどうかはまだ何とも言えない段階とのこと。テレビの試験放送が日本で行なわれるのは、これより15年後だ。
 いろいろ楽しかった。おかげで夜の11時に書類書きをしているけど、悔いはないです。