日記

 漫画をドラマ化する時に、話の展開や台詞をどの程度原作に忠実にするかは難しいところであろう。「じっちゃんの名にかけて」のようにそれが無ければキャラクターが成立しない決まり文句は別として、通常原作の台詞はそのまま使うことは少ないと思われる。使うと単なるコピーのようになってしまう。だから同じ場面でもドラマ脚本家はあえて原作と違う台詞を考えねばならない制約がある。
 さて「編集王」だ。少し期待していたのだが、最初の10分見てもういいやと早送り。理由はまずキャスティング。原田泰造のカンパチは悪くないと思ったが、青梅デスクが中山秀征というのが自分の中では納得いかない。原作では昔のショーケンのようなイメージだったのに、性格設定が全く変わっている。原作者の土田世紀は、多くの登場人物を実在の俳優や有名人に似せて描いている。そのモデル(と思われる)人物−西田敏行大仁田厚豊川悦司、宮史郎ら−をちょっとでもドラマに登場させてくれたら楽しいのだが。そして台詞。土田世紀の書く台詞は練り上げられていて奥深い。特に、原作で青梅がカンパチを励ます時に言う「お前の人生は全20巻じゃねえ」という台詞がカッコ良くて好きだった。ドラマの該当シーンでは中山ヒデが酔ってわめくだけで、原作に勝る台詞は無かった。(もちろん、つまらないのはヒデが悪いと言ってるわけじゃないよ)
 ドラマで大ヒットした「ショムニ」にしても、漫画のはじけた世界がドラマでは抑え気味で物足りない気がした。漫画とドラマは別作品と考えるべきなのだろう。