(木) 曇時々雨、2〜10℃

 一晩焼成した試料を取り出すも、加熱しているあいだにボンベのガスが無くなり、炉の中に空気が入ったらしく、カーボン層はすべて飛んでしまっていた(不満1)。ボンベ残量とガス流量には気をつけていたが、今までずっと流量計の読み方を間違えていたらしい。同僚Aが目盛りと流量の対応表の存在を教えてくれた。思っていたより 30 倍くらい高い流量を流していたことが判明。炉の使い方を教えてくれたボスは対応表を知らなかった(不満2)。流量に無頓着だからあのような隙間だらけの管状炉を平気で使うのだろう。空になったボンベを交換する手配を技術職員Dに頼むが、いつも非協力的な彼は今回も「自分で電話すればいいだろう」と冷たい(不満3)。ボスとの会話の中で次の電極作成の話題になるが、相変わらず彼は自分の惚れ込んだ物質の応用展開ばかりを熱く語り、それが本当に使えるかどうかのチェックは眼中にない(不満4)。恋は人を盲目にするよ。昼食後、写真を提出しに県庁へ。職場に戻り、件の電極作成。炉の流量計のハンドルの止めネジが弛み、軸を回せなくなる。旧職場には日本から持って来た細い六角レンチのセットがあるが、現職場の実験室では調達できず(不満5)。空き時間に、共同研究者が申請中のプロジェクトの提案書に目を通す。研究背景説明に見覚えのあるフレーズが出て来たのでもしやと思って3年前の自分の提案書と比べてみたら、複数のパラグラフを丸々パクられていた(不満6)。剽窃が行われているのは日本だけではないのだ。もともとこのプロジェクトのアイデアの半分は僕のプロジェクトの内容を公然と流用したものだが、文面までコピペされたらさすがに呆れる。おれ搾取されてるだけじゃん。どうやって倍返ししてやろう…。まあたぶん何もせずただ距離を置くだけだけどな。退勤が遅くなったので職場で夕食。