出発阻害要因

 日本に一時帰国する当日、7月に秘書さんから転送されてきた旅行代理店からのメールを確認したところ、なんと電車も飛行機も予約がなされていないことが判明した。メールには TGV と飛行機のスケジュールが記されていたが、それは見積りに過ぎなかったのだ。前日夕方に駅で TGV のチケットを受け取ろうとしてできなかったので変だと思っていた。というか、もっと早くに確かめるべきだった。
 その日は秘書さんが休みだったのでリーダーが代理店に電話して、急遽別の電車と飛行機を押さえてくれた。このため予定より2時間早く家を出る羽目に。飛行機が当初のエールフランスから全日空に変わったのは不幸中の幸いだった(エールフランスが嫌いだから。計画した当時は職場所定の代理店を通す場合はエールフランスを選ぶべきなのだと思い込んでいた。実際はそんな制約はない、と後で知った)
 秘書さんも予約を済ませたつもりでいたことを、後で謝罪のメールが来て知る。そう、フランスの旅行代理店から送られてくるメールの文面は、予約完了したのかしていないのかが非常にまぎらわしい。昨年 12 月に帰る際にも、チケット購入手続きが完了していないことを空港に来てから知ってパニックになったことがあった。昔はチケット本体が郵送されてきたから間違えようが無かったけれども、eチケットなるものが導入されたことでかえって勘違いの危険性が増した面がある。

 TGV でモンパルナスへ。そこで空港へ行く切符を買う。メトロで北駅 → RER で空港、のつもりだったが、券売機が長蛇の列で 30 分くらい待ち、焦ったせいで間違えてオペラからバスで空港へ行く切符を買ってしまった。まあ時間も運賃も大差ないのでそれで行くことにする。

 オペラ座裏の乗り場から空港行きのバスに乗って出発した 10 分後くらい、まだパリの街で信号待ち停車している時、突然降車ドアのガラスが爆発音のような音を立てて粉々に崩れ落ちた。外の舗道から何者かが割ったのだ。RER ならば起こりようがない事件。状況確認等の後、バス会社の基地に戻って乗客全員が別のバスに乗り換えさせられ、ちょうど渋滞と重なったこともあり空港到着が大幅に遅れた。自分よりももっとフライト時刻が切迫していた乗客がいて気の毒だった。

 これだけ阻害要因に遭遇しながら予定通りの日に日本に帰り着けたのは、ラッキーだったと言うべきだと思う。(10.10.10 記)