五月蝿い同僚

 職場の机でデスクワークしているところへ、隣の部屋の同僚が来て、私の目の前で同室の同僚2名と大声で雑談を始めた。私の仕事の邪魔になることなどお構いなしの嬌声。1時間も話していただろうか。こういうデリカシーのなさは今に始まったことではないのだが、今日ばかりは甚だ不愉快な気分を味わった。その間、こちらの頭の中を巡っていた考えは「もし自分がフランス語を分かったらこんなに腹が立たなかっただろうか?」「いや、仮に分かったとしても自分はこの話の輪には加わらず、やはり不愉快に感じていただろう」「いますぐ『おい、僕は仕事をしているんだ、静かにしてくれ』と言うべきか」「でも同僚の1人は今日久しぶりに職場に来たのだから、仲間と話に花が咲くのも理解できる」「でも何も言わなければ舐められるだけだ」「それにしてもなぜ彼らは自分をまったく無視するのだろう」etc.
 結局、話しつづける3人を残して自分は先に退勤したのだが、いつも言う「Au revoir」を言う気にどうしてもなれず、黙って手を上げるだけの挨拶(この時は相手は Au revoir を言ってくれたけど)。基本的に、自分を必要としてくれる人がいて、自分の使い慣れた装置が稼働している限り、この先も喜んでこの職場で働きたいと思っているけれども、もしも近くにいる人々との人間関係を良好に保てなかったら、やっぱり働く幸福感は半減するだろう。人間を無視して完全にモノだけに向き合うという姿勢は、自分には無理だと思う。

 帰宅後、夕食も摂らずに午前3時までネットサーフィンに没頭する。それもコドモの頃に見たなつかし映像を中心に。心が現実逃避を必要としていたらしい。