曇のち晴

 午後には気温が上がると予想して半袖シャツを着て、でも朝のうちは肌寒いのでジャケットを羽織って出かける。結果、ずっとジャケット着用で過ごすことになった。服装を選ぶのが難しい。「君だけじゃない。この季節、フランス人はみんな悩んでいる」(同僚談)

 業者によるガス配管が終わりに近づいている。自分のほうは光学系のデザインを進める。日本から発送したレンズやミラー類をチェックしていたら、一番大事な光学部品に不備があることが判明。おそらく当初2枚組だったはずのガラス部品が1枚しか見当たらない。これを使うことを前提にチャンバーやレーザーの位置を決めたので、使えないとなるとショックだ。日本ではほとんど使わずほったらかしていたので、いつ誰が抜き取ってどこに置いたかも分からない。おそらく気づかないうちに研究室整理の際に捨ててしまっただろう。モノに対する愛が足りなかったと反省した。1枚だけ新たに注文できるかどうか。

 一方、使い道が決まらないままなんとなく持って来た部品もある(写真)。かつて自分で設計・工作した、3個の部品の位置を一直線上で任意に動かせる機構。これも作った後ずっとほったらかしにしていたものだけれど、久しぶりに触ってみたらちゃんと動いたのでちょっと感動した。我ながらこんなもの良く作ったな。今ならもっとシンプルな設計にする、とも思うものの、材料と工作機械さえあればどんなモノも自分で作れるんだという、多少誇大気味の自信が蘇って来た。