曇時々雨

 私 「サルコジがひどい言葉を吐いたんだって?」
 同僚「とても、とてもひどい言葉だ」
 夜のテレビニュースでも、発言から3日経っているのにいまだにその話題が取り上げられている。「うせろ、馬鹿野郎」と朝日新聞では紹介されていたけど、こっちの人にすれば、意味はそうでもニュアンスは「馬鹿野郎」どころの話ではないみたいだ。
 といっても、対応するようなニュアンスの日本語の悪口を探すのは難しい。もともと日本語には欧米の言語に比べて、ひどい悪口のボキャブラリーが乏しいのだ。だから元首がうっかり口を滑らせたとしてもせいぜい「バカヤロー」(吉田茂)くらいのもの。極端な悪口のボキャブラリーが存在する国で、それを使ってはいけない立場にいるサルコジらはやりにくいだろうな、と変な心配をしたり。

 ニュース番組で日本の話題が登場することは非常に少ないが、昨夜は、富山の津波の映像と、大阪のパナソニックの工場が廃棄されたテレビをリサイクルする様子とが取り上げられていた。
 ちなみにトップニュースはマリオン・コティヤール(『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』)のアカデミー主演女優賞受賞。かなり時間を割いて伝えていた。日本人がもし受賞したら日本のマスコミは大騒ぎだろうけど、これがフランスでも騒ぎっぷりは似たようなものだな。

 週4日放送されているアニメ『マルセリーノ』、1月に見たエピソードがまた放送された。シリーズ最終話まで行ったらまた第1話から順に流しているらしい。米国のテレビでもそうだと以前聞いたことがある。毎回録画しているが、あのよく知られた、マルセリーノのパンとぶどう酒と天国に関するラストの展開は、どこにも見当たらない。きっと繰り返し放送するのに不向きだという理由で、その展開はナシになったんだろうと思う。おかげでどれが第1話でどれが最終話かも判然としない、メビウスの輪のようなシリーズになってる。なんだかなあ。