脱線事故 (2)

 今朝のTVで専門家が「置き石やスピードの出し過ぎよりも、スピードが出ているときに運転士が急ブレーキをかけたのが脱線の直接の原因」との見方を示していた。並行して、この運転士の過去の運転ミスや、事故直前にオーバーランの距離をごまかす工作をしていたことなどが明らかになってきて、もはや原因のかなりの部分が運転士にあったとしか思えない状況になってきた。本人もいまだに潰れた車体に閉じ込められている時に悪口を言うのは気が引けるけれども。

 人間誰でも失敗することはある。大事なのは、失敗した時にそれを隠蔽しようとしたり、取り返そうとして無茶をしたりしないことだ。今回は彼がオーバーランという小さな失敗を取り返そうとして、より悲惨な事態を招いてしまったのだと言える。だが最近、若い世代にそういう人がとみに増えているように感じられる。技術が進歩し、写真を撮るのも食事を作るのも失敗なく簡単にできてしまう時代になって、その結果失敗を犯すことに慣れていない人間が育っているからだろう。
 電車の安全システムは進化しているとはいえ、その想定を超えた事態が起こった時にどうすべきかは人間が判断せねばならない。技術が進めば進むほど、それが破綻したときには高度な判断力が要求される(原発も然り)。しかるに、その肝心な人間の判断力は低下するばかり。この悪循環は何とか断ち切らなければならない。テクノロジーと人間の能力は、反比例ではなく正比例の関係でともに発展して行かなければならないのだ。
 コメンテーターのような偉そうな意見を吐いてしまった。若いモンは〜などと書くと急に年寄りの気分になるけれども、まあ正直な気持ちなので書いておく。

 少々風邪気味なので早めに帰って寝よう。