設計図

 シンポジウムの準備に当り、ワープロや表作成の清書などの仕事は事務の人が手伝ってくれることになっている。しかし現実にはなかなか仕事を頼むチャンスがない。ワープロを使う人はほとんどがそうだと思うが、私が慣れている文書作成プロセスは、キーボードを打ちながら文面を考えるという同時進行的なものだ。鉛筆で走り書きした完成文章を渡して「これ、清書して下さい」というような作り方ではないのだ。自分が楽をするために、頼める仕事はなるべく頼みたいが、結局何も頼まずに終るかもしれない。

 似たようなことが本業の仕事にも言えて、よく学生に「これこれこういうものを作ってくれ」と仕事を頼むのだが、出来上がった物を見て指示の仕方が不適切だったと後悔することがしばしばある。設計の段階で完成度が低くても、自分で作る場合には、作りながら細部の仕様を変更したりできる。人にまかせるとそうはいかない。で結局、完成品に若干の不満があっても妥協してOKを出す。
 その点、手塚治虫先生などは、人にやらせて出来上がってきた仕事でも、平気で切ったり捨てたりできる人だったらしい。私はそういうことができないので大物になれないのかも。

 明日から9月4日まで、仙台へ。