日記

 とはいうものの(前回の当欄を参照)、ドラマは視聴率20%くらい出せばまあ当たりと言われる。てことは人気ドラマは、大雑把に言って日本中で2000万人が見ている。一方漫画の人気作品の読者数は、コミックス、雑誌合わせてせいぜい500万人といったところではないか。つまり今の日本では、漫画人口よりドラマ人口の方が断然多い。いい大人が漫画など読んでいると世間の冷たい視線を浴びることもしばしば。
 「ドラマより漫画」派としては、なぜ皆がドラマは見ても漫画は読まないのか知りたい。
 たとえば「TVはタダだから」という理由もあるかもしれない。ドラマには好きなタレントが出るからという人も多いだろう。もっと本質的な理由としては、漫画よりドラマの方が見る側は消費エネルギーが少なくて済む、という事情も考えられる。小説ファンからは噴飯ものだと非難されそうだが、漫画を読む際にもそれなりに想像力を駆使する必要がある。それに対して普通の人気ドラマは考えさせる要素を極力排除して作られる(例外もあるが)。メッセージを持った人気ドラマが今のTVにあるだろうか。
 「編集王」「ショムニ」「金田一少年の事件簿」「東京大学物語」「研修医なな子」「君の手がささやいている」「ぽっかぽか」「味いちもんめ」「いいひと。」等々、同一タイトルの漫画とドラマ両方を見た方。どっちが良かったですか?